機械の油切れによる歯車のホゾ(軸)焼き付き

機械の油が蒸発した状態で動かし続けてしまうと歯車の軸が焼き付きや磨耗を起こして動作に支障を及ぼします。
一般的には部品交換になりますが、比較的初期の段階でしたら軸の先端を研磨することにより正常な状態にお戻しすることができます。

画像は焼き付いた歯車を下洗いした段階で先端に変色が残っているのがご覧いただけます 

【ホゾ研磨前の画像】 

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このまま組み立ててもおそらく動作に異常は出ませんが、注油した油が濁り劣化が早まるため掃除木(そうじき)という柳の木と旋盤を使ってこびり付いたサビを落とします。
同時に基盤部品側の軸が入る穴石の内側もこの木を使って掃除します。爪楊枝でも代用できますが柔らか過ぎるため適しません。
これらの作業を怠って組まれたと思われる修理品を数多く見てきましたが、単に洗浄しただけでは頑固なサビや汚れを落とす事は困難です。

【ホゾ研磨後の画像】先端の焼き付き痕を研磨しました

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部品交換せずに歯車は正常に戻りましたので注油した油の持続性も向上いたします。
ロレックスなどの高額な部品は出来る限りこの作業で再使用しますが、著しく磨耗している場合は交換せざるを得ませんので不具合が出る前にメンテナンスされることが重要です。
ホゾ磨きの作業は当社で行うオーバーホールの特徴の一つで長期保証をお付けできる裏づけとなっております。