人体に与える電磁波の影響が色々と取り沙汰されていますが、機械式時計には磁気帯びとなって、確実に悪影響を及ぼします。

修理に来た時計を分解前に調べてみると、程度の差こそあれ8割近くが磁気帯びしています。

高価なガウスメーターという専用測定器もありますが、方位磁石を利用し、ガラス面同士を接触させないようギリギリで時計ををゆっくり動かすと、磁気帯びしている場合、動きに同調して方位磁石の針が振れますので、磁気帯びの有無がわかります。
 磁気帯びチェック

 

この場合、最も問題になる磁気帯びというのは、ヒゲゼンマイの帯磁で、精度に大きく影響します。ロービート(5~6振動)の時計のヒゲゼンマイが帯磁した場合は、精度測定器(ビブログラフ・タイムグラファー等)の測定線も乱れ、精度も明らかに悪化します。

ハイビート(8~10振動)の時計が帯磁している場合は、弱い帯磁ですとゼンマイのトルクと弾性の強いヒゲゼンマイによって、精度に影響が出にくいのですが、強く帯磁した場合はやや厄介で、前述のビブログラフなどでも分かりにくく、一時的に、ほぼ正常な測定結果が出る場合がありますが、実測で日差が数分以上出ることもあります。最新式のデジタル測定器(witschなど)では、測定不能となるのですぐに判明します。

携帯電話やパソコンなど、現代社会は電磁波だらけで、いつ磁気帯びしても不思議ではありません。

特に’60年代以前の時計は電磁波がほとんど飛び交っていない時代の産物で、磁気に対してはほぼ無防備です。

突然に時計の時間が狂うようになりましたら、点検の意味でも、どうぞお気軽にお持ちください。
磁気抜き専用の機械にかけることで、簡単に脱磁出来ます。